作品データ
DMMブックスの小説(日本文学)。著者は山田詠美。616円・2015年8月7日配信。1991年に刊行された短編集で、表題作のほか「堤防」「花火」「桔梗」など九篇を収めています。
どんな作品か
子ども時代を題材にした短い作品が並び、いずれも一人称で語られます。学校への道すがら目に入る畑や墓地、霜柱といった風景と、そこで交わされる人々のやりとりが、子どもの視点から丁寧に描かれます。恋愛小説の書き手として知られる著者の、別の一面が表れた一冊です。
読みどころ
子どもが世界をどう見ていて、どこで大人の事情に触れてしまうのか。その瞬間を、説明せずに情景として置いていく書き方が印象に残ります。一篇ごとに手触りが違い、読み進めるうちにひとりの子どもの輪郭が浮かんできます。
こんな人に
静かな短編集を少しずつ読みたい人、子ども時代の記憶を描いた物語に惹かれる人に。