作品データ
- 区分: 一般ノベル- 著者: 西川善文- 価格: 781円- 配信日: 2015-08-04
どんな作品か
「ラストバンカー(最後の銀行家)」と呼ばれた西川善文の回顧録である。住友銀行に入行し、頭取まで上りつめた著者が、自らの銀行員人生を振り返る。バブル崩壊後の不良債権処理という修羅場の最前線に立ち続け、さらに三井住友銀行の誕生、そして日本郵政の初代社長就任という激動の経歴を、当事者の視点から率直に綴っている。
読みどころ
戦後日本の金融史を、渦中にいた人間の肉声で読めることが最大の魅力だ。イトマン事件をはじめとする難局への対処、経営トップとしての決断の裏側など、外からは見えない意思決定の現場が具体的に語られる。きれいごとに終始せず、修羅場をくぐった者ならではの緊張感ある筆致で、組織と人間の生々しい姿が浮かび上がる。リーダーシップ論としても読み応えがある。
こんな人に
金融業界やその歴史に関心のある人、経営者の自伝からリーダーの決断力を学びたい人に薦めたい。ノンフィクションとして、バブルとその後始末という時代を知る一冊を求める読者にも向いている。