作品データ
DMMブックスの小説(ミステリー・サスペンス)。著者は恩田陸。価格880円、2015年8月4日配信。
どんな作品か
『三月は深き紅の淵を』という、一人一冊しか読むことを許されないという幻の本。その謎めいた書物をめぐって、独立した四つの章がそれぞれ異なる趣向で綴られる連作長編です。本を探す者、書物にまつわる噂を語る者など、章ごとに視点や物語のかたちが変わり、読書そのものへの偏愛が全編に貫かれています。
読みどころ
各章がまったく違うスタイルで書かれ、それでいて一冊の「幻の本」というモチーフで緩やかにつながる、実験的で凝った構成が読みどころ。本を愛する気持ちや物語への憧れが濃密に立ち込め、ミステリーでありながら読書という行為そのものを味わえます。恩田陸の作風がよく表れた作品です。
こんな人に
本にまつわる物語や、凝った構成の連作小説が好きな方に。