作品データ
DMMブックスの小説(ミステリー・サスペンス)。著者は赤井三尋。968円・2015年8月5日配信。第49回江戸川乱歩賞の受賞作で、2015年にWOWOWの連続ドラマWとして映像化されました。
どんな作品か
「誘拐事件の犯人の娘が大手新聞社に内定した」という週刊誌のスクープから物語が動き出します。東西新聞の窓際社員・梶は、社主の意向で二十年前のその事件を調べ直すよう命じられます。当時の関係者をひとりずつたどるうち、記録として片付いていたはずの事件が別の輪郭を見せ始めます。
読みどころ
派手な事件が続くのではなく、古い資料と証言を一つずつ確かめていく取材の描写が物語を進めていきます。新聞社という組織の論理と、報じられずに終わった個人の事情との落差が読みどころです。二十年という時間が人に何を残すのかを静かに描いた、社会性のあるミステリになっています。
こんな人に
記者ものや過去の事件を追う調査型のミステリが好きな人、落ち着いた社会派の一冊を読みたい人に。