作品データ
区分: 一般実用 / 著者: 今井悠介 / 価格: 935円 / 配信日: 2024-04-17
どんな作品か
本書は、経済的な事情によって子どもたちが旅行や習い事、部活動、自然体験といった「体験」の機会を持てずにいる現実を描いたノンフィクションである。著者はこども支援の現場に長く関わってきた立場から、体験の有無が学力や人間関係、将来の選択肢にまで影響を及ぼしていく構造を取材と統計の両面から明らかにしていく。単なる貧困論にとどまらず、見えにくい格差として体験の欠如を捉え直す視点が本書の軸になっている。体験の乏しさが自己肯定感や将来への展望にまで影を落としていく様子も指摘されており、問題の射程の広さが伝わってくる内容である。
読みどころ
体験の格差が世代を超えて連鎖していく実態を、具体的な家庭の声とともに丁寧に追っている点が読みどころである。数字だけでなく当事者の言葉を積み重ねることで、問題の輪郭が生活実感として伝わってくる。支援の現場を知る著者ならではの、制度と現実のギャップへの目配りも本書の特徴だ。
こんな人に
子どもの貧困や教育格差について、統計とエピソードの両面から理解を深めたい人に向く一冊である。子育てや教育、福祉に携わる立場の人にとっても示唆の多い内容だろう。