作品データ
DMMブックスの小説(SF・ファンタジー)。著者は『コンビニ人間』で芥川賞を受けた村田沙耶香、1441円・2019年11月28日配信。書き下ろし長編。
どんな作品か
太平洋に浮かぶ人口2000人ほどの離島・千久世島を舞台に、島独自の神「ポーポー様」への信仰と、年に一度の秘祭「モドリ」をめぐる物語。14歳の陸と親友の花蓮は、閉塞した島の因習から逃れようとする。演劇界の松井周と練り上げた「千久世島ワールド」を土台にした、異様で濃密な世界が広がる。
読みどころ
共同体の信仰や慣習が個人をどう縛るのかを、村田沙耶香ならではの冷徹な筆致で描く。当たり前とされてきた「常識」が揺らいでいく感覚が全編を貫き、読者の足元をも揺さぶる。奇習と少年少女の逃走という設定が、寓話としても社会批評としても読める。
こんな人に
『コンビニ人間』など村田作品の異物感が好きな人、ディストピア的な寓話を求める人に。