作品データ
DMMブックスの小説(ミステリー・サスペンス)。著者は貫井徳郎。605円・2016年1月30日配信。2017年に妻夫木聡・満島ひかり出演で映画化されました。
どんな作品か
幸せそうに見えた一家が殺害された未解決事件を、記者が関係者に取材していく物語です。被害者夫婦を知る同僚や同級生の証言が次々に語られ、生前の一家の姿が少しずつ違った角度から浮かび上がります。地の文よりも、語られる言葉の積み重ねで進む構成が特徴です。
読みどころ
証言する人々の口調に、羨望や見下し、悪意といった感情が自然とにじみ出ます。誰もが自分は普通だと思いながら他人を値踏みしている——そのいやな手触りを丁寧に描き出す筆致が読ませます。人の心の暗い部分をのぞくような読書になる一作です。
こんな人に
後味の重いミステリが好きな人、証言を積み重ねる語りの形式に惹かれる人に。