作品データ
DMMブックスの小説(ミステリー・サスペンス)。著者は南杏子。価格742円、2018-07-11配信。現役医師でもある著者のデビュー作で、単行本『サイレント・ブレス』を文庫化にあたり改題した一冊です。
どんな作品か
大学病院から在宅医療専門のクリニックへ異動になった女性医師・水戸倫子が、自宅で最期を迎えようとする患者たちと向き合う物語です。治すことができない患者を前にした無力感のなかで、終末期の日々をどう支えるかを模索していく姿が、連作形式で描かれます。それぞれの患者が抱える小さな謎を織り込みながら進みます。
読みどころ
訪問診療という現場のリアリティが、医師である著者ならではの視点で丁寧に描かれています。患者一人ひとりの人生と、その最期に寄り添う医療のかたちを、静かに考えさせてくれます。ミステリの要素をまといながらも、根底には「どう生き、どう看取られるか」という問いが流れています。
こんな人に
医療小説や終末期・看取りをテーマにした物語に関心のある方、心に残る連作短編を読みたい方におすすめです。