作品データ
DMMブックスの小説(日本文学)。著者はまさきとしか。721円・2016年12月6日配信。母であることの重さを正面から扱った長編ミステリーです。
どんな作品か
流産を重ねた末にようやく授かった息子を、池での事故で失った知可子。絶望の底で彼女は、息子を産み直すという考えにたどり着きます。同じ誕生日に生まれた娘に兄の名を与え、毎年その年齢の数だけ蠟燭を立てる——歪んだ形で「完璧な母親」であろうとする妻を前に、夫は言葉を失います。そこへ、一通の手紙が届きます。
読みどころ
母の愛情がどこで別のものに変わってしまうのかを、日常の小さな習慣の積み重ねによって示していく書き方が印象的です。誰も明確な悪人として描かれないぶん、家族の内側で進む変質が生々しく迫ります。手紙という装置が持ち込む緊張が、物語をミステリーとして引き締めています。
こんな人に
家族の心理を掘り下げた後味の重い物語が好きな人、母と子の関係を扱った小説を読みたい人に。