作品データ
DMMブックスの小説(ミステリー・サスペンス)。著者は天野節子。826円・2016年6月27日配信。著者のデビュー長編で、のちにテレビドラマ化もされました。
どんな作品か
専業主婦の恭子が、夫との間に子を宿したと告げてきた女性を毒殺するところから物語は始まります。ところが事件が報じられても、被害者が妊娠していたという事実はどこにも出てきません。自分は誰を殺したのか——疑念にとらわれた恭子は、殺した相手の素性を自ら調べ始めます。
読みどころ
犯人の側から描かれる倒叙形式で、追う刑事の戸田と恭子との距離が少しずつ縮まっていく緊張が続きます。派手な仕掛けよりも、平穏に見える家庭の内側が崩れていく心理描写に重心が置かれています。日常の細部を淡々と書き込むことで、不穏さがじわじわと増していきます。
こんな人に
倒叙ミステリや心理サスペンスが好きな人、静かな緊張感の続く物語を読みたい人に。