作品データ
- 区分: 書籍- 著者: 島田裕巳- 価格: 773円- 配信日: 2016-01-30
どんな作品か
宗教学者・島田裕巳による、日本の葬儀のあり方を問い直した一冊である。刊行当時、その挑発的な書名とともに大きな話題を呼んだ。本書は、日本の葬式にかかる費用が世界的に見ても高額であることを指摘し、戒名料や祭壇といった慣習がどのような歴史的経緯で定着したのかを、宗教学の知見から解きほぐしていく。葬式は本当に今の形でなければならないのか、という根本的な問いを投げかける内容だ。
読みどころ
単なる葬儀批判ではなく、仏教と日本人の関わり、葬式仏教と呼ばれる状況が生まれた背景を歴史的にたどる構成が読みごたえの核である。慣習だからと疑わずに受け入れてきたものを、データと歴史から相対化してみせる手際は宗教学者ならではだ。家族葬や直葬といった簡素な弔いへの関心が高まる以前に、その流れを先取りして論じた書としても興味深い。
こんな人に
親の葬儀や自分の終活を考え始めた人、宗教と日本社会の関係に関心がある人に向く。弔いの形を自分の頭で選びたい人にとって、考える材料をくれる一冊である。