作品データ
DMMブックスの小説(日本文学)。著者は垣谷美雨。1650円・2018年10月26日配信。
どんな作品か
定年退職を迎えた主人公・庄司は、「男は仕事さえ勤め上げれば家事や育児をしなくてよい」という旧来の価値観をあたりまえのように口にする人物。だが定年後、家族との距離や孫の世話に向き合ううちに、自分の凝り固まった考えを少しずつ問い直していく。時代とのずれに戸惑う男性を軸に、家庭のなかの価値観を描く社会派エンターテインメント。
読みどころ
無自覚だった思い込みが、家族の反応や日々の暮らしのなかで揺さぶられていく過程が読みどころ。硬直した主人公も、根は真面目で、納得すれば非を認める人間味が描かれるため、変化の道のりに説得力がある。身近な家族の問題を、ユーモアを交えつつ鋭く突く。
こんな人に
家族や世代間の価値観のずれを描く物語、垣谷美雨の社会派エンタメが好きな人に。