作品データ
- 区分: 一般ノベル- 著者: 須賀しのぶ- 価格: 2,035円- 配信日: 2017-01-13
どんな作品か
第二次世界大戦下のポーランドを舞台にした歴史小説である。ワルシャワの日本大使館に赴任した外務書記生・棚倉慎が、大国に翻弄されるポーランドの人々と出会い、国家と個人のはざまで自らの立場を問われていく。日本とポーランドの知られざる交流史を下敷きに、戦火の中の友情と誇りを描いた長編で、直木賞候補にもなった話題作だ。
読みどころ
ロシア人の血を引く主人公が「日本人とは何か」という問いを抱えながら、祖国を奪われてもなお歌と誇りを失わないポーランド人たちと心を通わせていく過程が胸に迫る。史実を丹念に踏まえた重厚な筆致でありながら、青年たちの友情の物語として熱く読ませる構成も見事である。題名に込められた意味が終盤に立ち上がる瞬間まで、緊張感が途切れない。
こんな人に
第二次大戦期のヨーロッパを扱った歴史小説が好きな人、国と国の関係を個人の目線から描く物語に惹かれる人に薦めたい。読み応えのある長編を求める読者にも向く一冊だ。