作品データ
DMMブックスの小説(日本文学)。著者は柚木麻子。価格770円、2017年4月11日配信。小学館文庫。
どんな作品か
1980年代、バブル前夜の東京。栃木への帰郷を控えた25歳の青子は、送別会で連れて行かれた銀座の高級寿司店で、職人が握る一貫の寿司に心を奪われます。あの味をまた自分の稼ぎで食べたい——その思いから東京に残ることを決めた彼女の、寿司をめぐる約十年の物語です。
読みどころ
バブル経済の高揚と崩壊を背景に、一人の女性が二十代をどう駆け抜けたかを、寿司というキーワードで鮮やかに描き出します。憧れの職人への秘めた思いや、時代の波に翻弄されながらも前を向く青子の姿に、ほろ苦さと温かさが同居します。食の描写の瑞々しさも柚木麻子作品の醍醐味です。
こんな人に
食や仕事を軸にした女性の成長物語が好きな方、昭和末期からバブル期の空気を味わいたい方におすすめです。