作品データ
- 区分: 一般ノベル- 著者: 黒野伸一- 価格: 825円- 配信日: 2017-03-03
どんな作品か
『限界集落株式会社』などで知られる黒野伸一による、世代を超えた友情を描く長編小説である。主人公は二十歳の京子。引っ越した先の隣家に住むのは、七十八歳の万寿子さんだった。ところがこの老婦人、初対面から人を食ったようないたずらを仕掛けてくる曲者である。ぶつかり合いから始まった二人の関係は、庭を介した交流を重ねるうちに、年齢差を超えたかけがえのない友情へと変わっていく。
読みどころ
五十八歳差の「友達」という設定の妙がまず光る。万寿子さんの毒気とチャーミングさに笑わされながら読み進めるうち、物語は老いや別れという避けられない現実を静かに見据えていく。笑いと涙の配合が絶妙で、人と深く関わることの面倒くささと豊かさを、説教くさくなく伝えてくれる。
こんな人に
心温まる人間ドラマを求める人、祖母世代との思い出を持つ人には特に響くだろう。世代の違う他人とどう付き合うかに悩む人にも、そっと背中を押してくれる物語である。