作品データ
- 区分: 一般コミック- 著者: 浅野いにお- 価格: 880円- 配信日: 2015-09-04
どんな作品か
『ソラニン』『おやすみプンプン』で知られる浅野いにおによる短編集である。表題が示すとおり、世界が劇的に変わるわけではない日常の中で、それでも「終わり」と「夜明け」のあわいに立たされたような人々の姿を、複数の短編で描き出す。都会の片隅で暮らす若者たちの孤独、家族や恋人とのすれ違い、将来へのぼんやりとした不安。派手な事件ではなく、誰もが心当たりのある感情の機微をすくい上げる作風は、この短編集でも存分に発揮されている。
読みどころ
浅野いにおの持ち味である、写実的で緻密な背景描写と、その中に置かれた人物たちの繊細な表情の対比が見どころだ。短編集という形式ゆえに、一話ごとに異なる人生の断面が切り取られており、読後に残る余韻もそれぞれ違う。救いのある話もあれば、苦さを噛みしめる話もあり、その振れ幅こそがこの作家の魅力である。
こんな人に
長編に入る前に浅野いにお作品の空気を味わってみたい人、日常の中の小さな絶望と希望を描くヒューマンドラマが好きな人に薦めたい一冊だ。