きみはだれかのどうでもいい人

『きみはだれかのどうでもいい人』は2021-09-07に配信された「きみはだれかのどうでもいい人」シリーズの第1巻です。価格は869円。

作り手
伊藤朱里
シリーズ
きみはだれかのどうでもいい人
配信日
2021-09-07
価格
869円(2026年9月10日に観測)
レビュー
103件・評価3.32(DMM.comが集めた評価。2026年9月10日に観測)

作品データ

- 区分: 一般ノベル- 著者: 伊藤朱里- 価格: 869円- 配信日: 2021-09-07

どんな作品か

太宰治賞出身の伊藤朱里による連作小説である。舞台は県税事務所。同じ職場で働く立場も年齢も異なる四人の女性たちの視点が一章ずつ切り替わり、同じ出来事がまったく違う景色として立ち上がっていく。誰もが自分の正しさの中で生き、気づかぬうちに誰かを追い詰めている。職場という日常の戦場を精密に描くヒューマンドラマだ。

読みどころ

視点が替わるたびに、それまで「嫌な人」に見えていた人物の内側が開かれ、読者自身の判断が揺さぶられる。この構成の妙が本作の白眉である。被害と加害は簡単に反転し、善意は時に刃になる。書名の突き放した一言が示すとおり、誰の目にも映らない痛みを掬い上げる筆は容赦なく、しかし切実だ。読後、自分は職場で誰の何を見落としているのかと考えずにいられなくなる。

こんな人に

働く中でモヤモヤを抱えたことのある人に強く響く一冊である。人間の多面性を描く群像劇や、視点の転換が効いた小説を好む読者にも向く。

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