作品データ
区分: 一般ノベル / 著者: 池上永一 / 価格: 1012円 / 配信日: 2016-05-20
どんな作品か
日本SF大賞を受賞した池上永一による長編小説で、温暖化対策のため大規模な森林に覆われた近未来の東京を舞台に、体制に反発する少女たちの姿を描いた物語である。本作はその後編にあたる一冊で、前編で描かれた対立の構図がさらに大きなうねりへと広がっていく。国家権力と森に生きる人々との緊張関係が、物語全体を貫く軸になっている。
読みどころ
沖縄出身の著者らしい濃密でエネルギッシュな文体と、環境問題や経済格差を絡めた大胆な世界観設定が本作の大きな魅力である。前編で提示された対立構造がどう展開していくかも注目点であり、荒唐無稽さと社会批評性を同時に成立させる筆致も見どころといえる。多様な登場人物たちがそれぞれの信念で動いていく群像劇的な広がりも特徴である。
こんな人に
スケールの大きな近未来SFと、エネルギッシュな文体を楽しみたい人に向いている。前編を読んだ読者が続けて手に取るのにも適した一冊である。