作品データ
DMMブックスの小説(日本文学)。著者は夢野久作。671円・2016年5月20日配信。1928年に発表された短編を収める一冊です。
どんな作品か
表題作は、南洋の孤島から流れ着いた三本の瓶に入っていた手紙、という体裁で書かれた短編です。難破して島に取り残された幼い兄妹の身に何が起きたのかが、手紙の文面だけを通して読者に示されます。地の文による説明を一切置かない、短くも密度の高い構成が採られています。
読みどころ
限られた枚数のなかで、手紙の書き手の心情が追い詰められていく過程が張り詰めた筆致で綴られます。『ドグラ・マグラ』で知られる著者らしい、読後にざらついたものが残る感触を短編で味わえます。短いぶん、読み終えてからもう一度確かめたくなる作品です。
こんな人に
日本の幻想文学や変格ミステリに触れてみたい人、短い分量で強い読後感を求める人に。