作品データ
DMMブックスの小説(日本文学)。著者はあさのあつこ、902円・2016年5月20日配信。
どんな作品か
『バッテリー』などで知られるあさのあつこが、自ら「本当に書きたかった作品」と語る長編。16歳の永見明帆が暮らす町でアパートの全焼火事が起き、明帆の恋人・藍子が命を落とす。藍子の幼馴染・柏木陽は、その死に不審を感じて動きはじめる。
読みどころ
一見ふつうの高校生である明帆と陽が、それぞれ内に抱える言葉にならない闇。友情とも愛情とも違う不思議な感情で結ばれた二人が、藍子の死をめぐって葛藤しながら関わっていく。単純な謎解きに収まらない、心理の深部へ踏み込む筆致が読みごたえを生む。ミステリーの枠を超えて、思春期の危うさそのものを見つめた意欲作だ。
こんな人に
少年たちの繊細で危うい内面を描いた、重層的な物語を読みたい人に。