作品データ
- 区分: 書籍- 著者: 鈴木祐- 価格: 1540円- 配信日: 2021-07-23
どんな作品か
膨大な科学論文を読み込むことで知られるサイエンスライター・鈴木祐による一冊である。本書が扱うのは、不安、怒り、後悔といった人間の「苦しみ」の正体だ。著者は、苦しみの多くが「自己」という物語に執着する心の働きから生まれると捉え、その仕組みを脳科学や心理学の知見から解き明かしていく。そのうえで、自己へのとらわれを手放し、心が乱れない「最高の状態」へ近づくための具体的な方法を提示する構成である。
読みどころ
瞑想やマインドフルネスというと精神論的に語られがちだが、本書はあくまで研究データを土台に、なぜ人は悩むのか、どうすれば悩みから距離を置けるのかを筋道立てて説明する点が特徴だ。古くから仏教が説いてきた「無我」の考え方と、現代科学の知見が響き合うところも興味深い。実践的なトレーニングまで落とし込まれており、読んで終わりにならない作りになっている。
こんな人に
考えすぎて疲れてしまう人、不安との付き合い方を根本から見直したい人に向く。エビデンス重視の自己啓発書を好む読者には特に相性がよい一冊である。