作品データ
DMMブックスの実用書(哲学・宗教・心理)。著者は東浩紀。935円・2023年10月13日配信。朝日新書の一冊として書き下ろされました。
どんな作品か
批評家の東浩紀が、過去を全否定も固持もせずに「実はこうだった」と語り直していく態度を「訂正する力」と名づけて論じた一冊です。持続と変化を同時に成り立たせる考え方として提示され、個人の生き方から日本社会のあり方までを貫く形で展開されます。哲学の議論を出発点にしながら、話は身近な場面へと降りてきます。
読みどころ
一度決めたことを撤回できない硬直と、過去をなかったことにするリセットの、どちらとも違う第三の道を示すところに芯があります。政治や世代交代、家族といった主題へ議論が移っていく運びも読みやすい。著者自身の活動や失敗に触れながら語られるため、抽象論に留まらない手触りがあります。
こんな人に
過去との折り合いのつけ方を考えたい人、現代日本の議論を批評の言葉で捉え直したい人に。