作品データ
DMMブックスの小説(ミステリー・サスペンス)。著者は中山七里。1,870円・2024年5月15日配信。全編を通してひとつの謎を追う長編ミステリーです。
どんな作品か
舞台は岡山県の姫野村、住民三百人を切る過疎の集落です。この土地には、終戦直後に村人を手にかけて姿を消した男の伝説が残っており、鬼の声が山から響くとき人が死ぬと語り継がれてきました。コロナ禍のさなか、東京から一人の男が移住してきたことをきっかけに、その言い伝えをなぞるような死が起こり始めます。
読みどころ
横溝正史を思わせる因習と伝承の色濃い舞台立てを、令和の状況設定で描き直した本格ミステリーです。閉ざされた村の人間関係と、外から来た者への視線の描き方に緊張感があり、地の文を読み進めるだけで空気が重くなっていきます。どんでん返しで知られる作者だけに、結末に向けた構えは万全です。
こんな人に
因習の残る村を舞台にした伝奇色の強いミステリーが好きな人、終盤の仕掛けを楽しみに読み進めたい人に。