作品データ
DMMブックスの小説(ミステリー・サスペンス)。著者は遠田潤子、902円・2016年12月28日配信。
どんな作品か
祖父と父が女を連れ込む「たらしの家」で育った庭師・雅雪。彼は二十歳の頃から十三年間、両親のいない少年・遼平の面倒を見続けている。遼平の祖母から屈辱的な扱いを受けながらも、その傍を離れないのは、ある贖罪のためだった。
読みどころ
不器用なまでに一途な男・雅雪の抱える過去と、愛と憎しみの連鎖を、遠田潤子が緊張感をもって描く。読者の心をえぐりながら、その果てに人間の再生を見つめる。息の詰まるような閉塞と、それでも消えない情の描写が、静かな読み手を離さない。「本の雑誌が選ぶ2016年度文庫ベストテン」第1位に輝いた、評価の高い一作。
こんな人に
重く濃密な人間ドラマや、痛みの先の救いを描くミステリーを求める人に。