作品データ
区分: 一般ノベル / 著者: シェリー・小林章夫 / 価格: 569円 / 配信日: 2016-06-25
どんな作品か
メアリー・シェリーが十九世紀初頭に発表したゴシックホラーの古典である。若き科学者ヴィクター・フランケンシュタインが、生命の秘密を解き明かそうとして人造人間を作り出し、その創造物と対峙していく顛末を描く。物語は複数の語り手による手紙や回想を通じて語られ、怪物を生み出した科学者自身の苦悩と、生み出された存在の孤独が並行して描かれていく構成になっている。作中に登場するヴィクターと創造物との対話は、この作品が単なる恐怖譚ではないことをよく示している。
読みどころ
通俗的な「怪物映画」のイメージとは異なり、原作は創造者の傲慢と責任、そして知性を持ちながら疎まれる存在の悲哀を丁寧に描く文学作品である。手紙形式や語り手の入れ子構造など、当時としては斬新な語りの工夫も見どころであり、科学技術が人間の手に負えないところまで進んだときに何が起きるかという問いは、二百年近く経った現在でも古びていない。近代科学小説の先駆けとしても位置づけられる作品であり、後世の多くのSF・ホラー作品に影響を与えた点も押さえておきたい。
こんな人に
古典文学やゴシックホラーの原点に触れてみたい人、映画やアニメで知る「フランケンシュタイン」のイメージを原作で確かめたい人、創造と責任というテーマに関心がある人に向く一冊である。