作品データ
- 区分: 一般ノベル- 著者: 寺地はるな- 価格: 759円- 配信日: 2025-10-15
どんな作品か
寺地はるなによる長編小説である。カフェで働く清瀬のもとに、恋人の松木が怪我を負って意識不明になったという知らせが届く。彼の部屋で見つけたノートを手がかりに、清瀬は自分が知らなかった恋人の一面と、彼が抱えていた事情に少しずつ近づいていく。
読みどころ
本作が見つめるのは、身近な人のことさえ本当には分かっていないという「わかり合えなさ」である。読み書きの困難など、外からは見えにくい生きづらさを抱える人々の姿が丁寧に描かれ、無自覚な決めつけがいかに人を傷つけるかを静かに問いかける。それでも他者を理解しようと歩み寄る営みを肯定する眼差しが、読後にあたたかい余韻を残す。
こんな人に
人間関係の機微を描く現代小説が好きな読者に向く。多様な生きづらさへの想像力を養いたい人、寺地はるなの温度のある物語を求める人に薦めたい。