作品データ
DMMブックスの小説(ファンタジー)。著者は住野よる。価格712円、2019-06-05配信の文庫版。『君の膵臓をたべたい』でデビューした住野よるの作品です。
どんな作品か
夜になると「ばけもの」の姿に変わってしまう「僕」を主人公にした物語です。ある夜、忘れ物を取りに学校へ忍び込んだ「僕」は、教室でクラスメイトの少女と出くわします。彼女は昼間、クラスでいじめの標的になっている存在でした。夜の教室でだけ交わされる二人のやり取りを通して、昼と夜、教室の内と外で揺れる少年の心が描かれていきます。
読みどころ
「ばけもの」という寓話的な設定を入り口に、いじめや同調圧力、傍観することの重さといった学校のリアルな空気が丁寧にすくい取られていきます。昼の「僕」と夜の「僕」の落差、そして少女との対話が、読み手に静かな問いを投げかけます。会話の間合いや心情描写に、住野作品らしい繊細さが息づいています。
こんな人に
思春期の心の揺れを描いた物語が好きな人、住野よるの世界観に触れてみたい人におすすめです。