作品データ
区分: 一般ノベル / 著者: 高山一実 / 価格: 748円 / 配信日: 2020-04-24
どんな作品か
元乃木坂46メンバーの高山一実による長編小説で、アイドルになることを夢見る女子高生・東ゆうが主人公である。彼女は東西南北にある四つの高校からそれぞれ個性の異なる少女をスカウトし、まるで運命的な出会いであるかのように装いながら、四人組のアイドルグループを結成しようとする。打算に満ちた計画と、集める過程で芽生えていく本物の友情とが入り混じる青春群像劇として、ゆうの視点を軸に物語が展開していく。芸能界という華やかな世界への憧れと、そのために人を利用することへの葛藤が並行して描かれる点も本作の骨格になっている。
読みどころ
主人公の計算高さと危うさが物語を前へ進める原動力になっており、単なる友情物語には終わらない緊張感が全編に漂っている。スカウトされた少女たちそれぞれの個性や事情が少しずつ明かされていく過程も丁寧に描かれ、群像劇としての厚みを生んでいる。終盤にかけて明らかになる語りの構造上の仕掛けも本作の大きな特徴で、読み終えたあとに前半部分の印象が変わる作りになっている。
こんな人に
アイドルという題材を通じて青春の裏側にある人間関係の駆け引きや、打算と友情が同居する複雑な感情を読みたい人に向く一冊である。等身大の主人公の成長を追いたい読者にも合っている。